(1)バケット開閉のしくみ

--- 図はイメージ ---


FIG 1
ドラムは A と B の 2 個あり、A はシャフト固定、B はフリーで、A のツメで回される。
ドラム A に赤と緑のツメ、ドラム B に黄のツメがあり、対向している。
FIG 2 のツメ位置は、右側から透視したように書いてある。バケットは、B がゆるむと自重で開く。

FIG 2 は、巻上げ状態
B の黄ツメは、A の緑ツメで回され、バケットは閉じた状態

FIG 3 は、FIG 2 から下降した状態
A の緑ツメが最下限になると、黄色はフリーになり、赤ツメがくるまで空回りできるので、バケットの自重でゆるみ、バケットが開く。
赤ツメが当たるとゆるみを保ったまま下降する。

開き状態のままでの上昇、閉じ状態のままでの下降はできない。


(2)適用
ツメの位置や個数は、いろいろあるみたいだが、このしくみが基本になっているようだ。
アンパンマンクレーンゲームなどに使われている。
ツメの位置を確認し、自動のボタンまたは基板部でモータ直結して上昇させれば、勝手に正常状態になるときもある。
ギヤの位置をいろいろさわって調整するのは面倒であるので、NO.448 や NO.425 のようにすれば 1 回で合わせられる。

(3)その他
@バケット上限の検出器を設けず、タイムアップで停止させているものが多く、上限でモータ拘束となり、チエンやギヤなどに過大な力がかかる。
バケット上限検出のリミット SW をつけ、b 接点でモータを直切りしてやれば機械的に安心である。
直切りすると下降が出来ないのでダイオードでバイパスが必要。
ダイオードの順電圧降下が 0.6 V 〜 1.2 V ぐらいあり、モータが回るかであるが、マイナス負荷の下降なのでたいてい回る。

昇降するおもちゃで上限で停止し、上限 LS が蹴られて OFF している。








上限で下降が開始されると赤のように電流が流れる。








少し下降して上限 LS が蹴り外れると、LS の接点が ON になりこちらを流れる。








下限で下限 LS が蹴られて OFF し、停止する。








下限で上昇が開始されると緑のように電流が流れる。








少し上昇して下限 LS が蹴り外れると、LS の接点が ON になりこちらを流れる。

以下 1 に戻って繰り返し。



Aチエンがねじれすぎるようなら、主チエンのエンドとバケット間に釣りのより戻しをつけてやる。


Bモータピニオンの割れ
左限、手前限検出のリミット SW がついているが、検出が遅くなるとフレームのあて止めになり、ギヤ系がコゼて起動できなくなる。
ピニオンの割れの原因にもなるので、2 mm 〜 3 mm ぐらいのゴム片を接着し、リミット SW を少し早く効かせるようにする。
ピニオンの穴径は、モータシャフト径 − 0.1 mm にする。シャフト径はたいてい φ 2 mm なので 1.9 mm が適当。




---- 2015.05.07 ----