麦川保育園について

昭和271952)年515日、西音寺の境内に園舎を新築して麦川保育園が開園されました。当時、無煙炭の産炭地として賑わっていた麦川などの奥分地域には、戦後のベビーブームで生まれた多くの乳幼児があふれていました。そのため子どもたちを預けて保育する施設が求められていました。

そうした地域の事情とあいまって、戦争から戻って20代の青年住職であった私の父の川越證眞が仏教の社会福祉活動と仏の教えを生かした保育を思って、寺の境内地を活用した保育所の設置を決意しました。

まだ戦後の混乱期でしたから、園舎を新築する費用、保育園経営の将来性などについて見通しがつかない中で、いろんな苦難や不安があったようですが、ご門徒、地域、行政など多くの支援があったため、なんとか開園にこぎつけました。爾来、今日まで60年間、園舎の改築移転、社会福祉法人化、炭鉱の閉山、地域の過疎化と少子化など、幾多の困難をへて、今日に至っています。

初代園長(昭和275月〜平成153月)のあと、平成154月から私の実弟の川越正信が第2代園長に就任しましたが、平成235月に急逝したため、現在は西音寺坊守である川越千世(平成236月〜)が3代目の園長を務めています。

開園から平成24(2012)3月卒園までの卒園児総数は1,229名です。

 

平成24(2012)4月 西音寺住職 記す